映画:「イニシエーション・ラブ」。
監 督:堤幸彦
脚 本:井上テテ
原 作:乾くるみ
キャスト:
鈴木:松田翔太
成岡繭子:前田敦子
石丸美弥子:木村文乃
柔島課長:山西惇
ストーリー:
バブル最盛期を迎えた1980年代後半の静岡。
奥手な大学生・鈴木は、友人に誘われ合コンに参加することになり、そこで歯科助手のマユ(前田敦子)と出会う。
鈴木は、彼女に釣り合う男性になろうとヘアスタイルやファッションを変え、彼女と付き合う事になる。
就職した鈴木は仕事の都合で上京することになり、静岡に残ったマユとは、遠距離恋愛に。
鈴木は週末に東京と静岡を往復していたが、洗練された同僚の美弥子(木村文乃)の出現により鈴木の心は揺らいでいく。
当時、中学生だった私。
おにーさま・おねーさま達のワンレンボディコン、ソバージュ、マハラジャ等、バブル真っ只中の様子を羨ましく見てた。
杉山清貴さん繋がりで、オメガトライブのCDを聴いたりもしていたので、映画冒頭にかかった「君は1000%(OMEGA TRIBE)」にテンションが上がり、続く「愛のメモリー(松崎しげる)」や「SHOW ME
(森川由加里)」・「Lucky Chanceをもう一度(C-C-B)」に、ラジオは、AMでは無くFM放送を選ぶことで、ちょっぴり大人になったように思っていたあの頃を思い出し、甘酸っぱい気持ちになった。
作品は、音楽含め、ハイレグ水着・ポニーテール・カラフルスーツ・DCブランドに男性のセカンドバッグ・緑の公衆電話とテレホンカード(公衆電話がダイヤル式の赤電話から移行してカードを入れて話すのが最新トレンドだった)、そして、最近減ってきている海の家等、映像も懐かしさ満載。
当初ラジカセは、1本を聴くのに、A面再生が終わったら取り出してB面を上にして再生という操作を行っていて、今作もカセットテープのA面とB面のような作り。
カセットテープを操作している同一人物のA面の恋とB面の恋。
カセットテープと同じように同時進行。
A面とB面は決して交わらないけれど、片方が進むと片方が戻る。
決して交わらないはずのAとBが交わるラスト数分間で、この作品の秘密を「そうだったんだ〜!」と、知る事に。
ぽっちゃり純朴学生の鈴木夕樹が、合コンで出会った繭子を好きになり、彼女と付き合っていく過程の…。
・繭子は、彼を、たっくんと呼ぶ事にした事
・繭子に、本を貸してあげた事
・ある日、繭子がデートを突然キャンセルした事
・クリスマスイブ直前にもかかわらずホテルが予約できた事
・繭子が夕樹を選んだのは、かっこいい人は大勢女の人を泣かしているはずで、自分はまっすぐに自分だけ見てくれる人が好きという理由だった事 etc….
全ては、繭子が先に付き合っていた遠距離恋愛中のイケメン社会人鈴木辰也との恋愛模様とリンクする。
・繭子は、辰也をたっくんと呼んでいた
・辰也は、自分が繭子と会うために節約しているのに、繭子は高そうな本を持っている事に激高する
・繭子は、辰也との間にできた子供を堕ろす為入院していた
・繭子と別れた辰也がホテルをキャンセルしたそのすぐ後、夕樹がホテルに予約の問合せをしていた
・辰也は、子供まで堕ろしたのに別の女性と関係を持ち、気に入らないとすぐに怒った
まぁ、繭子も、両方を「たっくん」と呼んだり、辰也が買ってくれた指輪を自分で買ったと言い、別れた時その指輪を辰也に返したにも関わらず、無くしてしまったと夕樹に言い、同じルビーの指輪をねだったりしているので、辰也との関係では、どちらもどっちだと思う。
夕樹が「ホテルが取れた」と報告した際、「誰か別れたカップルがいるんだね」と答えた繭子は恐かった…。
クリスマスイブをすごすホテルの部屋、男性は辰也から夕樹に変わるも女性は繭子のまんま、って…。
ところで…。
寺尾聰さんの「ルビーの指輪」の背景は、切ない男心なの???。
個人的に、この歌、大好き💓。
純愛がミステリーには変わらなかったけれど、したたかな女性には、気をつけましょう。