

香川県民文化大学第3期が、3月13日(土)より開講。
開講式の際の学長のお話。
講義を聴く方法は2つ。
・講師の話をそのまま追体験(疑似体験)していく方法。
・講師の話が真実か否か考えながら聴く方法。
後者の意味は、聴く者によって「真実は異なる」という事。
例えば、ここに1本の「縫い針」がある。
この「縫い針」。
時計職人さんのように、普段小さい物ばかり扱っている人にとっては、「大きな物」だと感じるだろう。
一方、ビルの建設現場等、普段大きな物ばかり扱っている人にとっては、「小さな物」だと感じるだろう。
「縫い針」という「一つの真実」も、見る者によって全く異なる印象を与える。
この事を、念頭に置きながら講義を聴いてみるのもいいんじゃないか?。という話だった。
90分という長丁場。
講義を、「すーっと素直に受け止める時間と咀嚼する時間のWでお楽しみください」との学長の提案にニッコリ。親切だわっ

第3期:初回の講師は、C・W・ニコル氏。
ニコル氏は、1940年英国ウェールズ生まれ。
作家&環境保護活動家。
エチオピア・シミエン国立公園初代公園長、カナダ水産調査局淡水研究所主任技官等を経て、1962年:空手修行の為に来日。1995年:日本国籍を取得。1980年より長野県黒姫に居を定め、執筆活動を行うと共に、1986年日本の森の再生活動の為、「アファンの森」と名付けた荒れた土地の再生活動を始め「C・Wニコル・アファンの森財団」を設立、理事長に就任。自然の復活と子供達の心の学習等に力を注ぐ活動をなさっている方。
http://www.afan.or.jp/afan_now/
ニコル氏の故郷ウェールズは、石炭の山地で105年前に日本の軍艦に積んであったほどの良質な石炭が採れる場所。
石炭を使った生活が主体で、空気汚染・スモークがひどく、肺を悪くする人が多かったそうだ。
第二次世界大戦後、石油が入ってきて、石油主体の生活に切り替わったが、そうなると今度は失業者が増え町は貧乏になってしまった。
又、英国は、当時、軍艦一つを造るため、2700本の木を切り、英国では970年前にクマは絶滅してしまった

ニコル氏は、1962年日本で初めてブナの原生林を見、木々の姿や側を流れる湧き水の美しさに感動する

ニコル氏達、ケルト人にとってはブナは、水の神様の木。
その美しさは知っているつもりだったのに、日本のそれは、故郷のブナとは全く違う感動だったそうだ。
だが、それから40年以上の月日の間、近代日本は里山の手入れをしなくなった。
丁度、バブルの頃から原生林の伐採が始まり、動物達の住む場所が無くなった。急斜面を伐採すると鉄砲水が起こるにも関わらず、クマ等に畑を荒らされないように木々を伐採してしまった。
植えっぱなしのスギやヒノキの木々。木同士の枝葉がひっつくと、下に光が届かなくなる。地面に保湿異常が起こり、地表近くに植物は育たなくなり、枝は絡み合って折れ、鳥達は飛べなくなり、唯一光の当たる木の先の方だけが大きくなる。当然、生態系は壊れる

バブル期の「お金の値段が価値」という考え方がもたらした結果だ。
石油や石炭は採ったら、それで終わり。
今、日本に野生のクマがいるという事は、素晴らしい事なのだ

クマがいるということは、タヌキ、テン、キツネがいて、ヤマガラやカケスもいるという事。
近代日本と大昔の日本が併存しているっていう事は、素晴らしいこと。
サクラは日本固有のものだと思ってるでしょ?。
英国にもサクラはあるし、サクランボの生産世界一はトルコ。
なぜでしょう?。
サクランボのタネを運んでくれるのは鳥達。
カナダに植林されているのは、日本で炭坑の柱に使われていたニホンカラマツ。
なぜって?水に強くて丈夫だから。
世界は自然を通して繋がっている。
荒れ果てた森に水をひき、光が地面まで行き届くようにしてあげれば、緑が芽生え、花が咲き、昆虫が集まり、鳥達がやって来て、小動物が生活するようになる。するとキツネやクマ達もやって来るようになる。
森は生き返る

大地の息吹を感じられる場所で、子供達が自然に触れることにより、子供達の心にも活力や笑顔をもたらしてくれる。
太古の昔、大切にしてきた自然をもう一度、愛してみませんか?。
講義を聴きながら思った事。。。
人里に現れた動物達が人間とうまくいかない悲しいニュースを聞くようになった昨今。
動物達が人里に食べ物を求めるようになったのは、森林の伐採、人がラクをする為の必要以上の放牧等、動物達が森の中で生活していけなくなるような状況を作りだした人間にも責任がある。
光・水・緑に始まって、すべての生物達が生態系の調和をはかってくれるからこそ、地球はいい感じに、生き物が生活していく事ができている。
便利さも必要だけど、私は、今ぐらいの利便性で十分な気がする。
無機質な物と人間だけの地球なんて、つまんないよ。
自然の中で遊ぶって気持ちがいいし、やって良いことと悪いことの勉強にもなる。
加減や思いやりの心って、自然の中で会得するものだと思う。
みんなの心に優しい光が満ちる未来になるといいな

片方と他方では全く異なる感情が発生してるって事、日常でも多々あるし。
それに気付いて善処できるかどうかが、腕の見せ所っていうか力量やよね。
食物連鎖と同じ事が、自然でもあるのね。
自然界のバランスが取れてこその生物の存在。お勉強になります(^^)。
講義のラストで、子供達のとってもいい表情達が映ったの。彼等は大変な思いをしてきた子供達なんだって。
人が笑顔になれる社会が、本当の繁栄をするもんなんだなぁって感慨深かったよ。
県民大学、ジャンルが様々だから私も勉強になる。
又、レポするね☆。
思ったんだけど、戦国時代とかに建てたお城とか、現存してるじゃん?。それってさ、森を大切にしてきたからこそ、何百年経っても、しっかり建物を木が支えてくれてるのかもしれないね。
自然の恵み、見直す必要がある時代になってきたのかも。
だね〜。当時は、必要なだけ大切に切り出していただんだろうね。
生活の便利さと自然保護、かねあいが難しいね。