2010年09月15日

舞台:「黙阿彌オペラ」♪。

平成22年9月15日(水)晴れ

舞台:黙阿彌オペラ 鑑賞レポ。

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【作者】井上ひさし

【演出】栗山民也 

【音楽】宇野誠一郎

【キャスト】藤原竜也・北村有起哉・大鷹明良・松田洋治・朴勝哲・熊谷真実・内田慈・吉田鋼太郎

【ストーリー】

劇詩人の新七(吉田鋼太郎)は、ざる売りの五郎蔵(藤原竜也)と互いに川に身投げしようとしたところを、引き止め合い、その足で両国橋西詰にある蕎麦屋「仁八そば」の障子を叩く。
家主のとら(熊谷真実)に身の上話を聞いてもらい落ち着いた二人は、翌年同日に同じ場所で会おうと約束。
一年たった約束の日、とらの店には、おせんという少女が置き去りにされていた。
とらの忙しさに便乗し、売れない噺家の三遊亭円八(大鷹明良)は隙を見て食い逃げをしようとするが、やってきた新七に止められる。
新七は、最近書いた新作芝居が大当たりしたという。
五郎蔵を待っていると、やってきた商売人風優男、久次(松田洋治)。
久次は、五郎蔵が無実の罪で島送りになり、自分は五郎蔵の弟分だったと語る。
さらに、とらの店に入って来た貧乏浪人、及川孝之進(北村有起哉)は、久次が川に身投げして同情を誘い、人から金をせしめていた、と暴く。
久次は、騙したのは五郎蔵に罪を着せた者で、つまり仇討なのだ…と自分の正体を明かす。
話しているうち、とらは「おせん株仲間」の結成を提案。
みんなで少しずつお金を出し合い、そのお金でみんなでおせんを育てようというのである。
時代が明治に変わり、世の中が移りゆくなか、おせんは成長し、株仲間の面々もそれぞれ成功をつかんでゆく。
ある日、株仲間達から新七にオペラを書いて欲しいと頼まれた新七は…。


故井上ひさしさんに捧げる舞台。

いくつかの舞台を観るうち、エロスあり、言葉遊びあり、悲哀あり、歓喜ありの井上さんの創り上げる世界に魅せられた。

又、幸いにも生で講演を聴講する機会にも恵まれた。

井上ひさしさんの座右の銘についてはこちら

ちなみに、井上ひさしさん、一押しの作家は、菊池寛氏。

日本ペンクラブ会長としてノーベル賞に推したいのは彼だ!と、熱く語る井上さん。

ノーベル賞に推すには存命が条件なので、叶わない願いではあるが…と、おっしゃっていた。

菊池寛の作品は、読んでいて元気が出る、明るい気持ちになる!。こういう本が必要なんだ!と。。。

そして、井上ひさしさんが望んだキャスト達が繰り広げるこの舞台。

とても楽しみに、劇場へ足を運んだ。

まずは、7月24日、東京で鑑賞

9月12日、大阪千秋楽公演へと向かった。

劇場内には、東京・大阪公演共に、舞台を見守る写真達の展示。

【井上ひさし氏】

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【木の上の軍隊:写真・ポスター】

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いつか、この作品が上演される日が来るといいなぁ☆と思う。

               〜 上 演 開 始 〜

役者陣が上手い黒ハート。見事なチームプレイ&連携プレイに、意識は常に舞台へ向かう。。。

夜もふけた頃、大川に飛び込んで死のうとした芝居作家の新七とざる売りの五郎蔵。

互いに、「いつでも死ねるが、相手を助けるのは今しかない!」と自分が死ぬのは後回しにして相手を助ける。

共に死に損ねた二人は、とらの経営する蕎麦屋の門を叩く。

夜更けに起こされたとらが、一喝exclamation

「馬鹿は死ななきゃ治らないというから、いっそ飛び込んで治しゃよかったんだよ。」

「互いに向かって言った「死ぬな」という科白を自分に向けて言やぁいいじゃあねぇか。」


蕎麦を食べながら、話す三人。

新七は自分が贅沢な願望を持ちすぎたと反省し、五郎蔵は養子に出した娘のお絹坊を救う為に、互いに再び生き、来年又この蕎麦屋に来る事を約束する。

序盤から、じーん。。。ときた。

翌年の同じ夜のとらの蕎麦屋。

とらの店では、新七、食い逃げをしようとした声色屋の円八、石川島送りになった五郎蔵の子分の身投げ小僧久次、貧乏浪人の孝之進達が各々の身上を語り合う。

苦しみを抱えながらも生きる彼等が希望を託したのは、とらの店に置き捨てされた女の子のおせん。

おせんの玉の輿を願い、おせん株仲間を結成する5人+1人(=五郎蔵)。

おせんは、すくすくと成長し、器量良し、芸の腕良しに育っていく。。。

あぁ、生の舞台なんだなぁ…って、得した気分になったエピソードをちょこっと手(チョキ)

泣いて呼ぶおせんと食い逃げしようとする円八との間を行ったり来たりするとらばあさんの場面。

かなりの勢いで動き回る熊谷さん。

息があがって、座り込んじゃった:笑。

ドアを開けて入って来た新七演じる吉田さん。

ゼェゼェ状態のとらばあさん(=熊谷さん)に「大丈夫ですか?」のアドリブ×2。

お芝居としてのとらばあさん、実際の熊谷さん、どっちも間違いなく、しんど〜あせあせ(飛び散る汗)な状態なわけで。

あまりにもドンピシャな台詞に、拍手揺れるハート

なんやかんやで、各々が道を見つけて生きていき、機会がある度に集まる彼等。

誰かが悲しんでいる時には、心配し、元気づけ、何かを目指している者には応援と賛辞を贈る。

登場人物達は、時々、身投げをしたくなって大川の橋へ向かう場面が各々あるんだけれど…。

お祭りで橋が人でいっぱいだったり、雪見船で川がいっぱいだったり、好みの風景の橋を選べなかったり、浮き板を持ったままでは沈めなかったり、なんやかんやで、また、蕎麦屋に生きて戻ってくる。

そうなんだよ。死ぬのも大変なんだよ。

大変な思いして死ぬのなら、その大変な思いは、生きながらしてみるのもありでしょうひらめき

ある時、株仲間達に、お歴々からの要望があるので、お偉方と客人達の満足の為に芝居を書くように頼まれる新七。

「そこに心はあるのか?。」「それは心底望まれたものなのか?。」

「日々の暮らしを切り詰め、楽しみにしながら舞台を観にきてくれているお客さん達を裏切る事はできない。」

「客席からの熱が舞台上に伝わり、そこから更に熱いパワーに満ちた空間が生まれるのが本物の舞台だ。」


と拒む親七。

なんだか嬉しかった。

そうなんだよね。お金を貯めて、時間を作って、劇場に足を運ぶ。

日常からタイムトリップして、お芝居の世界に佇む至福の時間。

本、音楽、絵、舞台、スポーツ。。。素晴らしいものにふれると心が清々しくなる。元気になれる。

その瞬間を求めて、毎日、頑張って仕事したり、生活したりしている。

だから、魅せてくれる側の新七みたいな気持ち、観る側である私にとって、ものすごく嬉しい揺れるハート

もう一つのメッセージは…。

見た目や上辺だけを取り繕ったものは、必ず綻びが生ずる。

なんでもそうだけど、何かをする時は、受け手が求めているものは何なのか、が一番大切。

真に求められているもの・必要とされているものこそが、未来への懸け橋になるぴかぴか(新しい)

とらばあさんの家で初めて目覚めた朝、株仲間のお金で綿入れを買ってもらったおせんちゃんの耳に、古着屋さんの男の子とおじさんの会話が聞こえてくる。

「チャン、お米が買えるね。」

「おうよ。三升ほどと沢庵も買って来な。客があれば、あそこも喜ぶ。」

株仲間の気持ちが、綿入れでおせんちゃんを温め、綿入れを買った事で、古着屋さんもご飯が食べられて、お米屋さんも漬物屋さんも喜ぶ。

「温かな想い」が、ぐるぐると世の中を巡って、みんなが幸せな気持ちになれる。

〜御恩送り〜

何か自分にできる事を一生懸命する事で、誰かの・何かの役に立てればいい☆。

ステキな脚本だなぁ揺れるハートと思った。

ふわぁんと温かく優しい気持ちになる。。。

お芝居の中でお芝居が繰り広げられたり、小道具でひょい!と釣られたり、見得をきったり、歌ったり。。。

「素晴らしいかわいい」が盛り沢山のこの舞台。

鑑賞して良かったと、心から思った。

カーテンコールの客席総立ち。井上ひさしさん登場。なにもかもが心に響いた。感動したぴかぴか(新しい)

いい舞台を魅せてくれて、ありがとうキスマーク


posted by みぃみ at 15:00| Comment(2) | TrackBack(2) | 映画・舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントありがとうごいました。
生の舞台ならではの感動はいっぱいあったんでしょうね。羨ましいです。私は本でしか読めないのですが、実際の黙阿弥の脚本も読んでみて、井上さんがいかによく勉強してこの本を書いたかもよくわかりました。現代の我々に届くように、慎重に言葉も選んでいます。もうちょっと、がんばって欲しかった。
Posted by KUMA0504 at 2010年09月17日 07:32
KUMA0504さん>こんにちは♪。

コメント&トラックバック、ありがとうございます。

昔「吉里吉里人」を読み、最近になって、井上ひさしさんの書いた作品にふれるようになりました。

「道元の冒険」「表裏源内蛙合戦」「ムサシ」…、どれも言葉遊びに歴史背景等に加え、元気になれるお話なので、大好きです。

黙阿弥の脚本も読んでみると、もっと色々感じる事ができそうですね♪。トライしてみます。
ありがとうございます(^^)。

Posted by みぃみ at 2010年09月17日 10:53
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