2010年07月27日

舞台:「ファウストの悲劇」♪。

平成22年7月27日(火)晴れ

7月25日(日)、Bunkamuraシアターコクーンにて千秋楽鑑賞。

舞台:「ファウストの悲劇」レポ。

ファウストの悲劇.jpg

【劇作・脚本】クリストファー・マーロウ
【翻   訳】河合祥一郎
【演   出】蜷川幸雄
【 キャスト 】野村萬斎 ・ 勝村政信 ・長塚圭史 ・木場勝己・ 白井晃・たかお鷹・横田栄司
       斎藤洋介・大門伍朗・マメ山田・日野利彦・大川浩樹・二反田雅澄・清家栄一
       星智也・大林素子・時田光洋
イギリスの劇作家クリストファー・マーロウが、占星術師・錬金術師として知られるドイツの実在の人物ファウストの伝説について書いた戯曲をもとにした舞台。
ファウストと言えば、ゲーテが有名だが、マーロウはゲーテの250年近く前にこの作品をうみだしていたそうだ。作品名は「ドクター・ファウストの悲劇」。

【ストーリー】

地上に存在する全ての学問を学び尽くし、 論理、薬学(医学)、法学、神学にすら、存在の無意味さを感じるファウスト博士は、全ての望みを叶えるという条件と引き換えに、悪魔の王者ルーシファーの召使いであるメフィストフェレスと魂を売り渡す契約を結ぶ。
あらゆる事が思い通りにいくようになったファウストに、地獄への門は着々と迫り来て…。


「道元の冒険」で、「懐弉(えじょう)」・叡山の山法師「豪雲」・「栄西」・「親鸞」・「如浄」と多彩な変化を演じ分けた木場さん、野村萬斎さん、「表裏源内蛙合戦」で裏の源内を演じた勝村政信さん、白井晃さん、長塚圭史さんと、魅力的な俳優人が勢揃い。

さらに蜷川さんの演出とあっては、行きたいぞ!の食指が動く動く。

問題は東京までの旅費。
飛行機代高いし。。。と、地方公演に期待していたが、どうやら無いらしい(/・_・\)。

暫し、考え込んだ結果…。

萬斎さんの現代劇(←に含めてもオッケー?)が生の舞台で拝める貴重なチャンスは大切にしようexclamation×2との思いに突き動かされ、飛行機のチケットをGET!。

新幹線新幹線の中&構内で携帯電話をいじりまくって取った飛行機飛行機格安チケ。無事に取れて良かったわーい(嬉しい顔)

会場に入ると、そこは和空間。

赤提灯に歌舞伎の黒・萌葱(こい緑色)・柿色の縦縞三色の定式幕。

初っ端、幕を開ける黒子は勝村さん。会場も盛り上がるグッド(上向き矢印)

「表裏〜」を思い出し、思わず笑みが(^O^)。

木場さんが、前説口上を述べ、拍子木をカーン耳

そこには。。。

悪魔達が長い爪の手を伸ばして誘う、おどろおどろしい世界どんっ(衝撃)。真ん中には、椅子に座ったファウストの姿。

。。。そこは、地獄への入口。。。

学問を極めたファウストは、あらゆるものの頂点に立ち、全てのものを思い通りにできる存在、すなわち「神」になろうとする。

神になる為、魔術に手を出したファウストは、魔王ルーシファーの召使いであるメフィストフェレスを召還し、望みを叶えてもらう代わりに自らの魂を差し出す契約を自らの血で書き記した証文によって結ぶ。

狂喜と狂気が入り混じった快楽と享楽に浸るファウスト

ファウストが悪魔に魂を捧げるのは、24年後。

欲望を叶え充足感に浸りながらも、犯した罪を嘆き悔い改めようとする度、悪魔の誘惑に引き戻され、快楽に興じるファウスト。

時が経ち、地獄へのカウントダウンに怯え神に許しを乞う彼は、悪魔からの目先の制裁を恐れ、祈りを諦めてしまう。

祈りを諦めた彼が走ったのは愛欲揺れるハート。トロイ戦争の要因となった絶世の美女ヘレナとの快楽に身を任せる事で恐怖を紛らわせる日々をすごす。

約束の日、ファウストの魂は迎えに来た悪の化身メフィストフェレスの手に…。

オープニング。

「こっちへおいで〜。」と気味の悪い悪魔達が手を伸ばして誘ってくる。目の前で空中を飛び回る悪魔。
ぐるぐると前回りに宙返りするもんだから、怖くて逃げ出しそうになったたらーっ(汗)

舞台の背景は、マジックミラーになっていて、客席が写ったり、中の様子が透けて見えるようになったりと変化し、客席、江戸の下町、ローマの町、城、様々な風景に変化し、ミラーを眺めているだけでも楽しめる。
なぜなら、ミラーの向こう側でも役者さん達が演じているんですもの。
表舞台と裏舞台、別世界を同時体感。アンバランスが同時に視界に入るもんだから、不思議な感覚になった。
更に、今回、奈落(ステージの下)も解放してあって、見えるようになっていた。

空中を天使と悪魔が飛び回り、奈落と舞台を行ったり来たり、客席を役者さん達が走り回る。

大魔王ベルゼバブ演じるマメ山田さんの「ウヒヒヒヒ」にゾーッツふらふら

突如、メフィストフェレス(勝村さん)が、上の階最前列に登場したのには驚いた(m゚◇゚m)!!。

どうして、遠くに登場したか?の理由も上手いんだよな。これが。
術を唱える者の力量を表現してるんだよね。

そうそう。ファウストが初めてメフィストフェレスを呼び出した時、ワイヤーで吊られてジタバタしながら宙に舞い上がった勝村さんのジタバタ具合に大爆笑

海の中でくつろいでいたら、突然釣り針で引っ掛けられて釣り上げられ、泡食ってる半魚人みたいだった(笑)。

面白い!と言えば、ファウストの魔術に苦しめられた馬商人達が、ファンホルト公爵の所に押しかける場面。

公爵と一緒にいたファウストは、見事、商人達の口を呪術で封じるんだけど。。。

ファンホルト公爵を演じるのは白井晃さん。

夫人役は大林素子さん(バレーボール日本代表だった方)。

公爵のマントの裾を毎回丁寧に整える召使い。自然そちらに目がいく目

そしたらば、やってくれました!!!。

ファウストを補佐すべく舞台下に控えているメフィストフェレスの頭を、舞台上で翻した公爵のマントの裾が直撃

御髪が乱れるメフィストフェレス。

「ったくもぉ。。。」と髪を整える勝村さん。そこへ再びマントが直撃(爆・爆・爆)。

ドイツ皇帝の前に登場させたアレクサンダー大王王妃の幻影にホクロがあることを知り、大慌てで走ってきて、気付かれる寸前にピトッとほくろを肩に貼りつけるメフィストフェレス。走る走るの大ダッシュ後、真っ白なタオルで汗を拭き拭き、クビにタオル巻いちゃう勝村さんに再びウケる(むせっちゃったよ、私:大笑)。

とはいえ。。。

ファウストにいいようにこき使われながらも、全てが思い通りになる事を喜び、得た力に夢中になっていくファウストを、じわじわと虜にしていく様が、コミカルさの中に時折見せる不敵な笑みから読み取れ、怖さが滲み出てた爆弾

お口がポカーンたらーっ(汗)だったのは。。。

ローマ法王(たかお鷹)とロレーヌの枢機卿(斉籐洋介)の会食に透明人間になって押しかけるファウストとメフィストフェレス。
フォークやナイフを飛ばしたり、豚の頭が鳴き始めたりなぁんて可愛いもので。食べようとするのをヒョイと取り上げ、別の人の口へポイ。あげく、テーブルの上のものぜーんぶ床にぶちまけて(まさにこのとおりの状況)しまっちゃう。悪霊を退治しようと聖書に祈りを捧げる修道士達にまでイタズラし放題。

この時の萬斎さんの顔ったら、いたずらっ子が夢中になって悪さをして楽しくてしかたがなーいっexclamation×2、のワルガキそのものの表情で、透明になる為にメフィストフェレスに羽織らせてもらった白の羽衣がとってもお似合い。
イケナイ事しているのに、かわゆ〜いと思ってしまった。

そんなファウストのイタズラを横目に、こんな事朝飯前と余裕でファウストと共に絶妙のイタズラを繰り広げるメフィストフェレス。

絶対、メフィストフェレス、ファウストの事「ういやつじゃぁ黒ハート」って思ってるはず。

思えば、契約を交わした直後のファウストとメフィストフェレスのタンゴぴかぴか(新しい)

真っ赤なおべべをファウストに着せ、エスコートしながら、エスコートされながら、LOVE×LOVEで躍ってた二人ハートたち(複数ハート)

チューするんじゃないかキスマーク、いけない愛を観ているんじゃぁないか、ってドキドキしたもの。

騎士ベンヴォーリオ演じる長塚圭史さん。ファウストに辱められ、復讐を誓うも再び敗北。どうするのかと思ったら、、、敗走

客席を敗走しながら、「偉そうな事言ったのに情けなくてすみませーーん。」っていいながら走り去っていく長塚さんに思わず「ファウスト相手によく、頑張ったぞ、健闘したぞ」の拍手。

酔っぱらい、殺陣、含めすごい存在感があった。

ファウスト演じる萬斎さん。

黒いマントに金の長髪。聡明さゆえに道を誤ってしまった麗人そのものだった。

悪なのに美しく、はかない。

傲慢で我が儘なのに憎めず手を差しのべたくなる。

やりたい放題やったファウストが苦しんでいると苦しみから救ってあげたくなる。

抱き締めてあげたくなる。

ヘレナとの愛欲に溺れ、ヘレナの身体に手をはわせるお姿に、思わず嫉妬した。
(↑バカです。でも、美しすぎるんです。官能的すぎるんですもの。)。

「ここが舞台ですよー」の柱数本、セット無し。地声。
刀や桶などちょっとした小道具だけ、メイク無し、羽織と袴の衣装だけで、あらゆる役、設定、場面を、自身の表現力のみによって生み出し、喜怒哀楽を客席に届ける狂言の世界で生きてこられた方。

その方にセット、衣装、おんがく。。。諸々が加わったなら最強でしょうかわいい

所作の美しさ・品の良さ・萬斎さんの備え持った全てが、博学者ファウストの気品と苦悩を見事に表現していた。

和の世界の狂言で魅せてくれる萬斎さんが洋の世界とコラボレートしているこの舞台、チケット取って、東京まで行って、本当に良かった。手(チョキ)

もう一度、どこかで幕が開くなら、絶対駆けつける。

メフィストフェレスがファウストの魂に惚れたように、ファウストはメフィストフェレスに恋してるんじゃないか?って時々思った。

いや、もしくは心の拠り所か?。

周りに素直に助けてって縋れないファウストは孤独だったんだろうな。

学問は極めたものの、満たされた毎日は上辺だけのもので、空虚さ・寂しさを紛らわせる為、欲望を満たす事に走ったのかな?なぁんて思った。

心から信頼し合える友がいたら、彼の運命も別のものになっていたのかもしれない。

多分、本人も気付いてたんだろうね。これは空虚な充足感だと。

でも一歩を踏み出せなかった。

いや、悪魔が踏み出させなかったのかもしれない。

強大な力を持ってすれば、人間ごとき一捻りな悪魔が、魅力的な魂を持つファウストを、単に魂を手に入れるだけじゃなく、もて遊ぶだけ遊んで、最後は自分の手中に納めちゃったんだよね。

こわ〜あせあせ(飛び散る汗)

あ、だから悲劇なんだひらめき

舞台の〆は木場さん。わんちゃんから人間に戻って見事な口上での締め括り。

鳴りやまないカーテンコール。

終了のアナウンスが流れると、総立ちの客席が一つになって、ひときわ大きなアンコールの拍手。

再び幕が開き。。。笑顔の役者さん達。

萬斎さんのおててフリフリ、可愛かったるんるん

素晴らしい舞台をありがとうぴかぴか(新しい)

心からそう思ったぴかぴか(新しい)

DVD発売になるといいな☆。再演決まるといいな☆。
posted by みぃみ at 11:52| Comment(5) | TrackBack(1) | 映画・舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いいなぁ〜、萬斎さん。
ステキだったでしょう?。
蜷川さんの舞台、客席に俳優さん達が頻繁に出入りしてくれるから、後ろの席でも間近でお顔が拝見できるし、通路沿いなら幸せ度アップだもんね。

勝村さん、声がよく通って役者人って感じでしょ!。テレビとは又違ったイメージだよね。

噂によると火花の特効&ワイヤーアクションもふんだんだったとか…。

楽しめたようで、よかったわo(^-^)o。
Posted by 真尋 at 2010年07月27日 15:51
はじめまして。
TB頂戴しまして、ありがとうございます。
私も広島⇔東京の飛行機代は痛いですが、
こんないい劇を観ると、まぁ、いっかと思っちゃいます。
勝村さん、NHK教育で宿坊の番組(今週で終了)に出てますけど、なんか似合ってない感じ…。
やっぱり、悪魔が似合う?
萬斎さんは、来年深津絵里さんと舞台で共演されますね。これは見逃せないです。
Posted by まつぞう at 2010年07月27日 21:15
はじめまして♪TBありがとうございました。

「ファウストの悲劇」、スゴい舞台でしたね!
詳細な感想を読ませていただいて、
舞台の様子がありありと思い出されました。

萬斎さん、来年は三谷さんの舞台にご出演だそうで、
こちらも楽しみですね。
Posted by kiki at 2010年07月28日 00:00
真尋さん>すぐ近くにものすんごい美形の萬斎さんが来た時は、鼻血でそうになった(笑)。
勝村さんもまっすぐスラッと立って、よく通る声が心地良かったよ。
舞台の上で役を楽しんで、ちらっとアドリブ入ってたりもしたし♪。
かなりのエンターテイメントな舞台だった(^^)。




まつぞうさん>はじめまして(^^)。コメントありがとうございます♪。
「ファウストの悲劇」、もしまた東京で上演される事があったら、きっと又、飛行機でびゅーんと鑑賞に向かうと思います。

勝村さん、、、NHK教育に出演なさってるんですか?。見てみますね☆。

裏の源内さんも悪、でしたし、悪魔な勝村さん、はまり役かもしれませんね〜(*^_^*)。




kikiさん>はじめまして。コメントありがとうございます(^^)。

大満足で家に着いて、忘れたくなかったのでカキカキしてみました。稚拙な文章で、すみません(>_<)。

「ファウストの悲劇」、人力でここまでできるんだ!と大感嘆の舞台でした。

三谷幸喜さんの舞台、萬斎さんは、夏目漱石なんだそうですね。こちらも本当に楽しみです☆。






Posted by みぃみ at 2010年07月28日 10:56
そういえば…。
「私は全ての頂点に立つ」と豪語するファウストに、「おめ〜は月(ライト)かいっ!」と突っ込みそうになる自分に、「ファウストの悲劇の方がDEATH NOTEより先に書かれてるんだから、突っ込むんなら月にでしょ!」と、突っ込み返す自分が居たf^_^;。
Posted by みぃみ at 2010年08月05日 06:14
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Excerpt: 野村 萬斎・主演 蜷川 幸雄・演出 悪魔に魂を売った男の物語 昨日、友人と渋谷のBunkamuraシアターコクーンへ、「ファウストの悲劇」を見にいってきました[E:train]正直、タイトルと演出、主..
Weblog: toe@cinematiclife
Tracked: 2010-07-28 00:40