
アルファあなぶきホールにて開催の「錦秋特別公演」鑑賞レポ。

【主 演】中村勘太郎・中村七之助(屋号は共に中村屋)
【演 目】
一、「橋弁慶」(出演:弁慶 勘太郎/牛若丸 七之助)
京の五條橋に腕の達者な少年が出没すると聞いた弁慶。懲らしめようと橋に出向くと、薄衣をかかげた優雅な姿の女の姿が…。その人物こそが噂の少年牛若丸でで…。「京の五条の橋の上」の童謡でも有名な、弁慶と牛若丸の出会いを舞踊化した作品。
二、「芸談」(出演:勘太郎、七之助 )
三、「あやめ浴衣」(出演:國久、仲之助、いてう、仲四郎)
初夏のさわやかな季節、あやめの花咲く端午の節句の様子等、風物や、大川畑の情景を詠みながら、小粋な姿の女達の軽快な踊り。
四、「浦島」(出演:浦島 勘太郎)
亀に連れられ竜宮城へ行き、玉手箱をもらって帰って来た浦島太郎は、乙姫への恋心を抱いたまま、二枚扇を使って踊る浦島太郎。しかし、見知った人のいなくなった故郷で乙姫を想いつつ、玉手箱を開けると…。
五、「藤娘」(出演:藤の精 七之助)
舞台一面に咲き乱れた薄紫の花房の前に、藤の枝をかついだ美しい娘の姿。元は五変化物の一つを、昭和12年に六代目菊五郎が、藤の花の精という設定の新演出にして以来大流行し人気の演目。艶やかで可憐な娘の恋心の舞。
兄・中村勘太郎君28歳と弟・七之助君26歳。
先日、前田愛さんとご結婚なさり、「ボク生き」でのお幸せそうなトーク

映画「禅」で演じる道元も爽やかだった勘太郎君。
「第二十五回:こんぴら歌舞伎大芝居」で鑑賞した勘太郎・七之助兄弟の歌舞伎。
愛しい人を演じる勘太郎君に、そそと寄り添う女形の七之助君、可愛かった〜

本当の恋人同士みたいだった。
今回は舞踊が中心の公演。
手に入れた座席は、最前列

楽しみに待っていたこの日がキターーーーーー!!。
橋弁慶。
まずは、薄いピンクの着物に同じくピンクの小花をあしらった薄衣を羽織った七之助君登場〜。
舞台上には、身のこなしは軽やか、性別不詳の舞が…。
続いて、弁慶の勘太郎君登場〜。
薙刀を振り回し、いかつい男の舞。
互いに見合い、始まる切り合い。
ふわふわと踊るように剣を振る牛若丸と、荒々しく豪快に薙刀で突く弁慶。
対照的な舞を踊りながら、剣を交え戦う姿に、ほぉ〜と感嘆。
初っ端から拍手喝采!。
続いて芸談。
二人共、黒のスーツで登場。
ぱっと華やかになる舞台上。
男っぽい勘太郎君と華奢な色男七之助君。
二人共、おめめをくるくるさせて、キラッキラの表情は、そっくり。
背筋しゃんと伸ばして、きちんと座り、ちゃんと話している人の方を見て、しっかりと受け答え。
気持ちの良い喋り方に、あぁ、しっかりと育てられているんだなぁ…と思い。
舞踊は、唄っている内容に合わせて踊る「あてふり」が多いので、歌詞を聴きながら観るとより解りやすいですよ。と鑑賞方法のアドバイス。
売っていたグッズのミニタオルを持たされたらしく、色違いのお揃いのタオルで汗を拭く二人の姿が、これまた、可愛らしい

今年、大阪で開催のある平成中村座は、勘三郎さんが19歳の時に、唐十郎さん達の舞台を観て、やりたい!と思って始めた移動式の劇場で、「来てくれるお客様は、できるだけ中へ」が心情のお父様。舞台の上にお客様が座る羅漢席(お客さんが背景の一部になる席)もございますので、ぜひどうぞ〜

続いて、質問コーナー。
小さな女の子が「私は泣きながら歌の練習をしているのですが、お二人も練習は泣きながらしたんですか?。」と。
「泣きながら」の部分に顔を押さえて、すごくウケていた七之助君。
二人共、叩かれ、引きずられ、蹴飛ばされ…、なんでこんなことしなきゃいけないんだと思ったりもしたらしい。
けれど…。
芸が好きだから、好きな事ができるようになると嬉しいし、お客様に、良かったよ〜と誉めてもらえるとまた頑張る力が湧いてきて

七之助君は、この芸を教えられたおかげで、ちゃんとした大人になれた気がする、とも話してた。
歌舞伎座が休演中の今の時期。
歌舞伎座があった時には、ありえなかった海老蔵さんとの共演等が印象的だったようで。
今なら、若手だけが集まって演じる舞台が実現できるかもしれない!と。
ぜひぜひ観たい…と熱望中☆。
続いて、お弟子さん達にも

季節を感じ、風情に浸るひととき

ここからは、一人づつ。
勘太郎君の浦島太郎。
釣竿に本当に糸がついてるようで、思わず凝視

若々しい無垢な青年が、少し大人になって竜宮城から戻り、二枚の扇を使った感情表現。
扇芸だけでも難しいだろうに、扇は舞踊の小道具の一つ。主体はあくまでも舞。もちろん、浦島太郎である事が必須。
頭のてっぺんから爪先まで全身の神経を研ぎ澄ませて演じる勘太郎君。
凄〜い

いよいよ玉手箱を開封。
あららビックリ!。
おじいちゃんに変身〜

爽やかで初々しい若者から一転、人生の荒波を生き抜き歳を重ねたお爺さんの姿がそこに。。。
表情も動きも何もかもがお爺さん。
同じ人が演じているんだよね?と思わず確認。
間違いなく勘太郎君。
ユニークな動きも盛り込んであるお爺さんの浦島太郎。
ドキドキの緊張感と凄い技、楽しい笑いで満喫

トリを飾るのは、七之助君の「藤娘」。
大きな藤の木と藤の花が咲き乱れる舞台。
藤の花の向こうから、ちょこんと覗く藤娘。
か、かわゆい〜

幸せそうに恋占いをしたり、ちょっとスネて布を噛んだり…。
全ての仕草が女の子。
ぎゅ〜っと抱きしめたくなる可愛らしさ

私、女だったと思わず感じる危機感

参考にしようと見入る、見入る。
いえ、魅入っていたのよ。
少しずつ、女の子から大人の女性になっていく藤娘を演じる七之助君に…

ほんのちょっとの仕草も女性。しかも愛おしさを感じる動き。
花、華、

夢舞台、華舞台、伝統芸能の世界を大満喫の舞台だった

素晴らしい舞台をありがとう

また、観たいな☆。
こんにちは。
良い出し物をご覧になられましたね。
私、七之助君のファンでございます。
彼のたおやかな見目麗しい女形姿にうっとりです。
お兄ちゃんも最近めきめき演技が巧くなってると思います。
実直な男の役なんかぴったり。
こうまで個性の違う兄弟も珍しいですが、それもまた面白いと。
兄弟トークのレポもありがとうございました。
コメント、ありがとうございます(^^)。
レポ、読んでくださって、嬉しいです〜。
>彼のたおやかな見目麗しい女形姿にうっとりです。
七之助君の女形、本当に可愛らしいですよね。
仕草や表情を見ていると、自然と笑みがこぼれてきます。
少女→大人の女性→人生経験を積んだ女性…と時の経過に合わせて
可愛らしさ→艶香→強さと包容力を感じることのできる演じ分けも、すごいなぁと思います。
雰囲気の違う、勘太郎君と七之助君のご兄弟、「芸の家」に生まれるべくして、誕生したのかもしれませんね^ ^。
来年、藤原竜也君と勘太郎君の出演する「ろくでなし啄木」もとっても楽しみです☆。