
「三菱東京UFJ銀行貨幣資料館」レポ

昭和36年に旧東海銀行の創立20周年を記念して開館。
世界各国の珍しい貨幣約1万点を展示してあり、民間では日本一のコレクションといわれています。
入ってすぐに大判小判(レプリカ)のぶらさがった木があって、大判小判の重さや質感を触って体験することができます。
その横には重さ150キログラムの「万両箱」が…。
江戸時代から明治維新までの間、京都の二条城で使用されていたもので現存している数少ない逸品だとか。
銭刀(鯉口から刀に沿ってお金が収納でき、旅の安全の為に開発された)なんていうのも展示されています。
平成十年、奈良県明日香村で新たに発見された日本最古の貨幣である富本銭に始まり、和同開珎、秀吉・家康の時代の銭(今は硬貨は50枚が一束の単位になっていますが、当時は100枚を一束とし、穴の部分に紐を通して持ち運んでいたそうで、この束を銭緡(ぜにさし)と呼んでいました)、大判・小判、太政官札…、百円札に五百円札、ギザギザのある10円、聖徳太子の一万円札〜現在流通中のものまでが、時系列に解説付で展示されています。
豊臣秀吉が作らせた世界最大の金貨(現存3枚・重さ44匁=165グラム)の「天正沢瀉(おもだか)大判」には、墨で「十両・後藤(鋳造者)・花押」の順に文字が書かれており、専ら大名同士の慶事等の際の贈答用に用いられ、普段は真綿に包む等して、大切に扱われていました。
ちなみに、墨書きが消えたら、金座の役所で新たにかきかえてもらうのに手数料が金2分(一両の半分)程かかった(高額の為、より一層丁寧に扱われた)そうです

日本のお金だけではなく、世界最古の古代中国の貝貨、古代ギリシャ・ローマの貨幣、ヤップ島の石貨等、各地の貨幣の展示もあり、各国の時代の流れを垣間見る事ができます。
珍しい物には、紀元前36年につくられたエジプト・プレトマイオス王朝のクレオパトラの肖像が描かれた銀貨。裏には共に国を治めていたアントニウスの顔がちゃあんと施されています。
〔何と!日本に幻の硬貨があったんですよ〜。〕
第二次大戦中に金属が不足したため、京都・瀬戸・ 有田の三箇所で日本が密かにつくった「陶器製硬貨」なんですが、こちらも展示されています(世に出回る事はなかったそうです)。
千両箱の重さって何キログラムだと思います?。
正解は…。箱本体が6キロ・安政小判千枚が9キロの合計15キログラムです。
じゃあ一億円は?。
10キログラムです〜。
こちらでは、どちらも実際に持ってみることができます

また、歌川広重の『保永堂版(ほえいどうばん)東海道五十三次』版画の展示もありました。
53の宿場に始点(日本橋)と終点(京都)が加わった計55枚で「揃物」というらしいです。
日本の浮世絵は、ゴッホ、モネら印象派にも影響を与えたらしく、ゴッホの「タンギー爺さんの肖像」という作品の背景の中には、広重の竪絵東海道五十三次の中の「石薬師」が模写されて描かれているんですよ〜。
入館無料とは思えないボリュームですし、大判(レプリカ)を持っての記念撮影もしてもらえた(館員さんとお話していたら、「いいものがあるんですよ〜」とレプリカを出して来てくれました(^O^)v)ので、声をかけてみられるのもよろしいかと。
オススメの場所です

「三菱東京UFJ銀行貨幣資料館」公式サイトURL
http://www.bk.mufg.jp/minasama/kakawari/gallery/index.html