
舞台:「テンペスト」。

【原 作】池上永一
【演 出】堤幸彦
【脚 本】出羽原大介
【キャスト】真鶴/孫寧温:仲間由紀恵・浅倉雅博:山本耕史 ・孫嗣勇:福士誠治・喜舎場朝薫:安田顕
尚泰王:伊阪達也・徐丁垓/真鶴の父/尚育王/在番/ペリー:西岡徳馬・聞得大君/真牛:生瀬勝久
ナレーション:野際陽子
【ストーリー】
19世紀、幕末の頃:清国と薩摩の間で、独立を保ってきた琉球王国に転機が訪れようとしていた。
そんな折、天才美少女真鶴(まづる)は、上級官僚になるための超難関な国家試験に合格。
孫寧温(そんねいおん)と名乗り、宦官のふりをして首里城で琉球王国の政治に携わっていた。
薩摩の侍、浅倉雅博(山本耕史)と友となった寧温は、古い仕来たりに囚われず、次々と大胆な財政改革に着手。
結果、琉球の宗教世界に君臨する王族神・聞得大君(生瀬勝久)の怒りを買い、女である事を見破られる。
又、琉球を我が物にしようとする清国の徐丁垓にも正体がバレ、窮地は乗りきるものの罪人として八重山へ島流しにされる。
島で女として生きる真鶴は、琉球から島へ来た役人の目に留まり琉球王の側室となるため再び琉球へ。
琉球王の子を身籠もった真鶴は、愛する浅倉への想いに終止符を打つ。
そんな折り、ペリーが来航し、琉球は占領の危機に瀕し、難局を乗りきるために王の恩赦で八重山から呼び戻される寧温。
側室として女としてすごし、かつ、男として国政を担う事になった真鶴(寧温)。
ペリーとの外交交渉を成功させ、ほっとした真鶴。
だが、王子誕生の宴の場所で正体が遂に暴かれ。。。
分厚い1ページ2段書きの原作本、2冊を読んだのは、かなり前(文庫本だと4冊)。
ちょっと切ないエンディングなるも、そこに至る波瀾万丈かつ痛快なストーリーに一気に読んだ本。
その池上永一さん著の「テンペスト」の舞台興業決定のお知らせ。
仲間由紀恵さん、山本耕史君の舞台姿が見られる〜って事で、行ってきました大阪公演千秋楽。

山本耕史君が朝薫役ではなく、浅倉雅博役なのが不思議だったんだけど、オープニングで疑問は解決!。
原作とは違う物語になっているのだと心づもりができた。
だって、真鶴と彼女の父親が仲良しなオープニングなんですもの

原作は、胸がきゅーっと締め付けられるような切ないエンディング。
涙、涙で帰路に着くはずが。。。
とっても楽しませてもらい、もうすぐ訪れる春の気配を感じながら帰路に着いた私。
アナウンスは琉球の言葉で案内があってから、標準語の放送。
第2幕が始まる時は、幕に60秒前からカウントダウンの数字が表記され、「0」になった瞬間上演開始。
とっても美しい衣装や華やかな琉球舞踊に、うっとり。
仲間さんの可憐な美しさと品の良さが常に漂う演技に魅き込まれ。。。
西岡さん演じるよぼよぼ尚育王が労りの言葉に対して「うん。がんばるっ。」に大爆笑。
国の財政権限全てを掌握した寧温に、聞得大君が放った言葉は「事業仕分けは、白いスーツ着た人に任せておけばいいんじゃい!」の時事ネタ:笑。
「美しい隣人」のマイヤー沙希の名前で真鶴を呼んでみたり。
ずっとオネエキャラの兄に真鶴が「まだやってたの?そのオカマ!。」。
上から目線の浅倉に「なんで、上から目線なんだ?」と問う寧温に浅倉が「お前が下ったからだ!。」とか(山の傾斜で友の誓いを交わす場面で上側に浅倉、下側に寧温がいる配置)。
権力者にも動じない真鶴と一緒に行動する(させられる?)朝薫の腰が思いっきりひけてたり:爆。
インパクト大だったのは聞得大君初登場の場面。
舞台全体を覆った幕に映しだされたのは、超ドアップの聞得大君。
さんざんめちゃくちゃでかい顔ドアップを見た後、舞台袖から生の生瀬さん登場〜!。
思わず笑っちゃうコミカルな聞得大君と、ゾッとするくらい冷たくて怖い聞得大君の見事な演じ分け。
もう一人、怖かったのが、西岡さん演じる徐丁垓。
真鶴が襲われてる時は、ほんとに恐かった。吐く息から毒とか出ていそうだったし。
再び登場した西岡さん。。。今度はペリーですかいっ!。おめめにひいた黒のアイラインに釘付け。
笑えない場面なんだけど。。。
ペリー西岡と朝薫ヤスケンの交渉場面が「相対的浮世絵」再び!ってな感じで、笑いそうになった。
山本耕史君は。。。
俺は武士だっ!愛する者はお前だけっ!信念持って生きてるぜっ!。
なキャラクター、見事にはまっていて、かっこいい〜

立居振舞一つ一つが絵になる。イケメンさんなのにお笑い台詞もきっちり表現。
いくら山本君でも排出物が真水(爆)でも、あの手は握れない。。。かも:爆。
歌も上手で、ぎゅーっつと真鶴を抱き締めた時は、真鶴になりた〜いと。。。

映像とナレーションが多用してあって、遠近法や移動も映像を駆使して表現しているのも新鮮だった。
ペリーと朝薫、ペリーと寧温の交渉場面も映像だったんだけど、同時通訳みたいに英語の台詞と日本語の台詞が同時に聞こえてきた。寧温とペリーのチェスしながらの交渉場面は、できれば舞台の生の演技で見たかったかな。。。
朝薫と嗣勇のキャラクターは原作と微妙に異なっていて、切なかった。。。
原作では、朝薫が、「自分は男が好きなのか?」と思い悩んだりしながら寧温の為に尽力したり嫉妬したりやっぱり愛したり、の感情がすごく心に響いた。舞台では、寧温の普通の同僚途中でちょっと崇拝な感じの扱いだった。
兄の嗣勇、のだめの黒田君だったとはっ!。上手い〜。
オネエキャラの陽気な踊り子で、妹の真鶴を心から心配する兄=厳しくも愛あるお兄ちゃん、かと思いきや

そして。。。真鶴と浅倉の恋。。。
浅倉の気持ちは〜友(寧温)&恋(真鶴)〜恋(寧温=真鶴)〜と変化して、状況は〜恋〜心残り〜恋〜絶望〜愛〜と変化していくんだけど、浅倉の中で「真鶴は心からの愛しい人」っていう思いは常に根底にあって。。。だから、浅倉が真鶴に別れを告げられる度に切なくなった。最初はコメディチックだった浅倉に少しずつ影がうまれ少しずつ大人の男になっていく変化が感じられ、彼に幸せになって欲しいと願っていた。
なので、ラストの HAPPY END に笑顔。
自分の人生を生きる事のできるようになった真鶴と彼女を愛し続けた浅倉、2人共幸せになって欲しいと願いながらの幕

エンターティメント的な要素満載の舞台:「テンペスト」。私は好きだ

☆心躍る時間をありがとう☆。
とってもHAPPYな気持ちを届けてくれた舞台「テンペスト」さんに預けた義援金。
舞台を観た人達をHAPPYにしてくれたように、もっともっと多くの方達が幸せを感じられるようにしてくださると信じています

オークラホテルの今井で食べたきつねうどんランチ。豆御飯も美味しかった〜


はじめまして
コメントありがとうございました
千秋楽公演を観られたなんて、めっちゃ羨ましいです
凄く細かい所まで観られてたんですね〜
私の場合は、
大人数のキャラの人間関係やストーリーを追いかけるのに必死でした
あの流れからすると、ラストは切ない終わり方だとばかり思っていたけど、後味のイイ終わり方でしたよね
見応えのある舞台でした
こちらこそ、コメントありがとうございます。
断片的な記憶がパラパラ状態の文章、読んでくださってありがとうございますm(__)m。
薩摩三人衆の即席役転換やちょっとした小ネタ等盛り沢山でしたね。
コメディー?シリアス?エンターテイメント?、いえいえ、☆純愛☆に、にへ〜っとなりました。
ほんと、心地好いエンディングでしたね
全体的な流れをもう一度見たいので、DVD、もしくはテレビ放送がもしあったら見たいな〜と思っています。仲間由紀恵さん&テンペスト繋がりで、BS新番組のスペシャルで放送してくれたら…と期待中です。