2013年10月10日

舞台:「かもめ」(シス・カンパニー)♪。

平成25年10月10日(木)晴れ

舞台「かもめ」
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作:アントン・チェーホフ
上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
美術:島次郎 照明:小川幾雄 音響:水越佳一
衣裳デザイン:伊藤佐智子 ヘアメイク:新井健生
舞台監督:芳谷研 プロデューサー:北村明子
企画・製作=シス・カンパニー
キャスト:
トレープレフ:生田斗真・ニーナ:蒼井 優
トルゴーリン:野村萬斎・アルカージナ:大竹しのぶ
ソーリン:山崎一・ドールン:浅野和之
シャムラーエフ:小野武彦・ポリーナ:梅沢昌代
マーシャ:西尾まり・メドヴェジェンコ:中山祐一朗
ストーリー:
帝政ロシア時代のある湖畔の別荘地。
シャムラーエフ(小野武彦)とポリーナ(梅沢昌代)夫婦が仕える屋敷では、伯父ソーリン(山 一)と暮らす作家志望の青年トレープレフ(生田斗真)が、 演劇の革新を目指し、女優志望の娘ニーナ(蒼井優)を主役に自作の芝居を上演。
彼は日ごろから芸術の革新について考え、有名女優である母アルカージナ(大竹しのぶ)への鬱屈した思いも抱えていた。
上演会に、彼の母は、愛人で有名作家のトリゴーリン(野村萬斎)と共にやって来る。
トルゴーリンに魅力を感じるニーナ。
一方、シャムラーエフ夫婦の娘のマーシャ(西尾まり)は、トレープレフに恋をしていて、
そんなマーシャを愛するメドヴェンコ(中山祐一朗)。
各々の想いが交錯し…。


ロシアの劇作家チェーホフの四大戯曲。
「かもめ」「ワーニャ叔父さん」「三人姉妹」「櫻の園」。
5年前、演出:栗山民也さんの時に観た舞台:「かもめ」
その時のキャストは、
藤原竜也君(トレープレフ)・麻美れいさん(アルカージナ)
鹿賀丈史さん(トリゴーリン)・美波ちゃん(ニーナ)
小島聖ちゃん(マーシャ)。
この時は、陰気な雰囲気を漂わせてはいるものの聡明そうな聖ちゃんマーシャに愛してもらっているのに、牧場の田舎娘っぽい美波ちゃんニーナへの叶わぬ想いゆえ自殺しちゃうトレープレフの行動が、よくわからなくて…。
マーシャの愛を受け入れれば、トレープレフは幸せになれるのになぁ、と、腑に落ちなかった。
文学書そのままの世界を上手な方々が文学的に演じるので、高尚な何かを理解するにはもっと勉強を!とも思った。

今回のケラさん演出の舞台は、とっても理解しやすかった。
有名人の息子というだけで、取り柄もないのに才能ある人達の輪に入るも、自身のちっぽけさを恥、何か自分にもこれだ!というものを見つけようともがく青年トレープレフ。そんな彼が心の支えにしていたのが女優を志す女の子ニーナ。
母であるアルカジーナに自分を認めてらいたくて、ニーナを主役にした舞台鑑賞を催したトレープレフは、客という立場にも関わらず、一言発するだけで周りの注目を集める母に、嫉妬。自分の作品に対する母の言動に傷付き上演を中止してしまう。
一方で、意味不明のトレープレフの脚本を上手く演じた事に対し、観客から拍手をあびるニーナ。そして、彼女は、アルカジーナと一緒に来ていた才能ある作家トリゴーリンと言葉を交わし恋心を抱くようになる。
ニーナの想いに気付き、苦しむトレープレフに思いをよせるマーシャ。
心配するマーシャに、冷たく接するトレープレフ。
トレープレフへの叶わぬ恋から、喪服を着続けるマーシャを愛するメドヴェンコ。
そして、マーシャの母ポリーナは、医者であるドールンとあらぬ関係に。

叶わぬ想いがぐるぐる繋がって、愛する人には冷たくされて、愛してくれる人には冷たくするという何とも切ない恋模様達。
愛に嫉妬はつきもので、嫉妬によって、燃え上がったり現実逃避したり陰ながら想い続けたり、あげくの果てには死を選ぶ者もいて…。
本人達には、悲哀。。。
観ている側には、恋愛ごときで何をそんなに…と呆れたり愛おしくなる喜劇。。。
やっぱり名作だわ、「かもめ」って。。。

生田斗真君、声がよく通るようになっていた。
噛む事も無く、最初から最後までトレープレフ。
生真面目なトレープレフのまんま、真面目にトレープレフを演じてた。
大好きなお母さんも大好きな女の子も、両方が自分より才能のあるトルゴーリンに夢中になっちゃったら、確かに悲しいよね…。

ソーリン役の山崎一さんは、和みと笑い担当。
もっさ〜とした陽気なおじさんで、妻子も持てず、夢も叶わず、病気持ちなるも、そこそこ人生を楽しみながら生きている。
帽子を脱いだりかぶったり、身体固まってま〜すな奇妙な動き一つ一つが面白い。
心に鉛を持ってる人達が、彼のお世話をせっせとするのは、彼のゆったりした心にふれると安心するからなのかな〜と思った。

西尾まりさん演じるマーシャ。今回の設定はオバさん化まっしぐらな田舎娘だったのかな?。
梅沢昌代さん演じる母親のポーシャと持ってる雰囲気がほぼ同じで、マーシャおばちゃんにつれなくされる中山祐一朗さん演じるイケメンのメドヴェジェンコが、気の毒だった。
母と娘なのでそれでいいのかもしれないけれど、前回、田舎に生まれたけれどもお洒落な世界に憧れるお嬢さんな雰囲気の小島聖ちゃんなイメージの方が私は好きだな〜。
その方が、トレープレフの冷たい行動に傷付く気持ちもよく伝わってくるし、メドヴェジェンコがマーシャに執着する理由も、より伝わってくるのかな?なぁんて。。。

シャムラーエフ役の小野武彦とドールン役の浅野和之は、安定感抜群。
物知り顔の頑固な田舎親父と、若かりし頃ブイブイいわせ、今も渋メンモテ男を完璧に演じてらした。
場がきゅっと引き締まるので安心して観ていられた。

ニーナ役の蒼井 優ちゃん。
高音低音発声も、変な動きも、そつなくクリア。
きゅーとな田舎娘も、酸いも甘いも噛み分けたそこそこの年齢の女性も、両方しっかり演じてた。
ニコッと微笑むと本当に可愛らしく、眉をひそめると悲壮感たっぷり。
顔、とってもちっちゃい〜。

野村萬斎さんのトルゴーリンは、ひたすらカッコイイ!!!。
天から授かった才能をひけらかすこと無く思いのままに。すると、得られる高評価。
高評価が真実なのか逆に悩み、もっと良いものをと日々精進するからさらに多くの人に慕われる。
彼には彼なりの才能への悩みがあるようだけれど。。。
トルゴーリンとドールンが、この劇中では、一番の幸せ者だと思った。
才能豊かで謙虚さを併せ持つ男は、いつの時代も幸せ者なのね…。
細かい事は気にせずに、今を生きるソーリンとシャムラーエフも、たぶん幸せ者。

アルカージナ役の大竹しのぶさん、魔性!。
大女優な雰囲気をプンプン醸し出し、母の顔、女の顔、どれも上手い。
トレープレフとの親子喧嘩、トルゴーリンとの痴話喧嘩、どちらも迫力〜!。
彼女を敵には回しませぬ:笑。
そして、アルカージナも勝ち組。
才能と生きる力強さ相手を尊敬する心を持つ女も、成功を手にする。

ややこしやなチェーホフを、豪華な俳優さん達で楽しく観られた作品キスマーク


posted by みぃみ at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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