
芸術:「たのしむ日本美術 サントリー美術館コレクション」展。

日本では、古くから暮らしの中で美を楽しみ、実用と結びついた日本美術の伝統は、人々の感性によって育まれており、本展では、サントリー美術館のコレクションから、絵画や陶磁器、漆器、ガラス、染織など暮らしの中に息づいてきた名品を選りすぐり、日本美術の豊かな世界を「たのしむ」という視点から紹介。
生活と結びつきの強い江戸時代を中心に鎌倉〜明治時代の屏風(びょうぶ)や漆器、絵画など、約100点を展示(江戸時代に活躍した陶芸家、尾形乾山(1663〜1743年)の陶器「白泥染付金彩芒文蓋物」(江戸時代)、国重要文化財の作品4点や、作者は不明なものの、京都の祇園祭で山鉾巡行の様子を描いた屏風で、当時の暮らしを伝える貴重な資料である江戸時代初期に描かれた「祇園祭礼図屏風」等)。
「BIOMBO(ビオンボ)/屏風 日本の美」が素晴らしかったサントリー美術館(サントリー美術館さんのツヤツヤの床は、酒樽の板を使用しているそうです)所蔵品が香川県へ来るとの事で、行ってきました。
屏風って、観賞用はもちろん、たたんでも開いても使え、仕切りや目隠し、風よけにもなり、持ち運びもできて用途が広いんですよね♪。
展示作品の中から興味深い解説のあったものを。。。
1.「鍋島 色絵組紐文皿」(肥前:鍋島藩窯)
佐賀藩の高級磁器であり、徳川家へは毎年11月に献上。実用の食器。
墨はじきの手法(墨で書いた線を白抜きにする)。
2.「銹絵雪景富士図角皿」(尾形乾山作・尾形光琳画)
兄の光琳が絵を描き、弟の乾山が焼いた。
この作品のように、兄弟合作の作品は、数多くあるんだそう。
ちなみに、兄弟は京都の裕福な呉服商に産まれるも、兄弟して財産を浪費しちゃったんだとか。
でも、財産は浪費しちゃったけれど、有名になり大成したので、良し!!!。
3.「白泥染付金彩芒文蓋物」(尾形乾山作)上記写真参照

尾形乾山は、37歳で開窯。
今作は、底部分に乾山の銘入り。フタの角が丸いのが特徴。
フタのすすきの白い部分は、濃い藍色の染め付け。
ススキの上に葉のある様子は、武蔵野の草むらにふりそそぐ月光(金色の部分)をイメージ、センチメンタルな印象。一転、フタを開けると別世界をデザインしてある。
4.「吉原風俗図鑑」(英一蝶筆)
カラフルな色合いで描いた吉原の様子と、影絵で表した宴の賑わいが当時の様子を物語る。
5.「桐紋蒔絵五重椀」
熱を伝えにくく耐久性に優れていたので漆器はよく食器に用いられた。
6.「葡萄栗鼠粟鶉沈金太鼓樽」
お酒を入れる太鼓形の入れ物。ブドウとリスは、子孫繁栄を表している。
7.「摘星楼図」(龍崗真圭賛・雪舟等楊筆)
室町時代、禅僧が絵に詩を寄せ、文字と絵画で一つの世界をつくる詩画軸が制作された。
8.「四季花鳥図屏風」(土佐広周筆)
室町時代ならではの大和絵を宋元明の花鳥画両方をミックスした和と漢の融合作。
9.「猛虎図屏風」(岸駒筆)

生きた虎はなかなか見られないので、虎の頭蓋骨に毛皮を被せて書いた。
虎の3D効果抜群!!!。
10.「貝尽蒔絵料紙箱」(小川破笠作)

鮑・蛤・サザエ等、めでたさと豊かさを表す貝を色絵陶磁や螺鈿で作ってちりばめてある。
11.「薩摩切子 紅色被皿」

薩摩切子は、10数年の期間のみ作成の為、貴重な品。
層が厚く水墨画的なぼかしとにじみ、大胆なカットが特徴。紅色は薩摩藩が日本発の発色成功。
12.「江戸切子文房具揃」

硯屏、筆筒、墨床、水滴、筆洗、掛算、文鎮の8点セット。
江戸切子は、無職透明、細かい模様が特徴。
硯に埃が入るのを防ぐ硯屏に彫られた菊と琴は、文字の読みと言葉を掛けてある。
「斧琴菊」(よきこときく)と「良き事聞く」。
13.「飛燕飾流水掘出鼈甲笄」

髪を留める道具。
鼈甲などで作る。
珍しいものでは鶴の頸骨を使ったものもある(年配の既婚女性がつけた。頭痛のまじないにも使用)。
庶民用には牛や馬の骨や角、ガラスで作成。
14.「グラヴュール葦に贋図鼈甲櫛」上記写真参照
ガラスの表面に模様を彫り、鼈甲の枠にはめこんだ作品。
片方に葦の水辺、もう片方に飛び立つ雁の姿を配し、光の当たり方で模様が消えたり現れたりする。
15.「桐鳳凰図屏風」(狩野探幽作)

鳳凰をつがいと雛で表すことで、高貴な人物の婚礼のために作成したと思われる。
金箔は最上質なものを使用、葵の紋の金具がついている。
16.「祇園祭礼図屏風」

6曲1隻。
作成者は不詳なるも煙草を刻んでキセルに詰めている人がいる等、当時の人々の様子を詳しく記してあり、2,3千人いる人物全ての着ている物が違う。
曲の途中の筋の継ぎ目に丸く引き手跡がある為、元々は建物の襖絵だったものを屏風に改装したもの。
祇園祭の先祭は、山鉾の順が、先頭が長刀鉾、最後が船鉾と決まっている。
この屏風は、鶏鉾を長刀鉾に書き換えてある。
左端はメトロポリタン美術館蔵二曲一隻の「鳥居図屏風」に、右端はケルン東洋美術館の 「祇園祭礼図屏風」に繋がる。
このように、光琳等名だたる芸術家達は、生活に密着した品々も作成していた為、身の回りの物全てを光琳で揃える事もできた時代だったんだとか。。。リッチですね〜。
生活を豊かに彩る品々を愛でた至福の時間でした〜

お〜〜素晴らしい・・・
12の8点セットとかも凄いね。
私は切子が結構好きなの〜この赤、ステキ。美しいね〜。
屏風とか全部素晴らしいんだろうけど〜やはり実物観ないとね〜。圧倒されたでしょ〜?
みぃみちゃんの感性はこういう時間で磨かれているのね。
応挙や若冲の時代の作品好きなので、
講演聴講もあわせて、行ってきました。
一つ一つ手作業で、
完成品には統一感があり、又、ちゃんと世界観を表している、
ってすごいな〜と毎回尊敬しちゃいます。
マリーさんは、切子お好きなのですね。
彫りや色合いも豊富で、実用品としての作品も
飾りたくなっちゃうくらい美しい物もありますよね。
赤、綺麗ですよね〜。この色合い、今の技術をもってしてもだせないそうですよ。
お習字セット、見た目が綺麗なのはもちろん、
道具としての実用性に、ステキなメッセージも加わってるなんて粋だわっ!とうっとりでした。
これなら、字の練習にも励みますっ!←ホントか?。
そうですね。屏風は実物が一番っ!。
近づいたり離れたり斜めからだったり…。
お!こんな所にっ!な発見や、雰囲気が変わるのも楽しくて…。長居いたしました。
未熟者なので、いいもの☆にふれたら、心の成長できるかな?と精進しております。
(起伏が激しいのもこれが原因?:汗)
いいな〜私が好きなものがおおい!!
ぜひみたいって思っちゃいました。
んーーー兄の光琳が絵を描き、弟の乾山が焼いた
って素敵すぎる!!!生を手に取ってみたいです。
この時代の作品達、いいですよねっ。
細やかで煌びやかで、お互いの真似っこしてたりするのも面白くって。
昨年から今夏にかけてイタリアとフランスを堪能したので、
今秋からは日本!にスポットとあてる事にしました(^^)。
光琳と乾山のコラボ作品、たくさんあるらしいです〜。
今年は「金」と「赤」人気が高まっているそうなので、
もしかしたら血縁の本阿弥光悦の作品も加わっての
兄弟を軸にした展覧会の開催もあるかも☆ですね。
私も、超厳戒態勢でもいいから、ほんものを触ってみたいです。
手、めっちゃ震えると思いますけれど…。