
国立新美術館にて「没後50年 横山大観:新たなる伝説へ」鑑賞時のレポ。
近代日本画壇の巨匠とされる横山大観の初期から晩年の作品80点近く(「生々流転」全巻を含む)が、一同に集まった展示会でした。
大観が本格的に絵を描き始めるまでについて…。
大観は東京大学予備門四級と同予備門英語専修課のかけもち受験が発覚してしまい、両方共失格となったため、東京英語学校で四年間修学。
その後、新たに開校する東京藝術大学入学のために、絵の勉強を始めたので、絵の勉強を始めたのは、かなり遅かったらしいです。
当初は模写を中心に描いていたとか…。
作品達のミニ情報。
「村童観猿翁」…大観の東京藝術大学の卒業制作としての作品。
良い成績をおさめたら助教授に推薦してあげると言われて、かなり力を入れて描いたそうです。
結果は…、実技は1番でしたが、諸々の事情で助教授にはなれなかったそうです。
「山に因む十題 龍躍る」…「海山十題」と呼ばれる作品のうちの1点で、唯一、空想上の景物を扱った作品です。
日本語表題は「龍踊る」なのですが、その下の英語表記には「Dragon And Mt.Fuji」とあり、そこで初めて絵の中の山は富士山であることを知った私…。
英語ってほんとストレートで明確な言語と実感!。意外なところで得しました♪。
又、海に因む十題のうち「海潮四題」の春・夏・冬は、季節を表すものを描かずに季節を表すというコンセプトによって、大観の技が光っています。
「生々流転」…1923年、大観が54歳のときに発表した墨画の超大作で全長40.7メートル。
水が水蒸気から形をかえて、大河→海→龍となって天に昇るという、水の一生を描いた日本一長い巻物だそうです。
ちなみに、大観は、作品一つ一つを描くための画材にも心を配ったそうで、この作品のために鯨柱墨(げいちゅうぼく)という名墨を使用し、日本にあと2本しかない墨を探し求めて、使用したとか。
愛情たっぷりの作品なんですね〜(o^_^o)。
40Mの作品なので、二度見したら160M歩けるのも、運動になって良いかも♪。
プラチナ等、豪華な画材もふんだんに使ってある大観の作品達。
目のお正月に、いかがでしょう
