
舞台:「酒と涙とジキルとハイド」。

作・演出:三谷幸喜
出演:片岡愛之助(ジキル博士・優香(イヴ&ハイジ)
藤井隆(ビクター&ハイド)・迫田孝也(プール)
STORY:
舞台は19世紀末のロンドン。
ジキル博士が開発した新薬は、人間を善悪二つの人格に分ける画期的な薬、のはずだった。
それを飲んだジキル博士は、別人格のハイド氏に変身する、はずだった。
学会発表を明日に控え、薬がまったく効かないことに気づいたジキル博士。
追い詰められた末の、起死回生の薬とは?
ノンストップの105分上演。
85分間、笑ってました〜

4人の出演者が、ワンシチュエーションで繰り広げるドタバタコメディ。
登場人物の感情の推移に役者さんの動き、全部が面白い〜〜。
愛之助さん演じるジキル博士は、明日に迫った研究結果発表に結果が間に合わず。
自分の中のもう一つの人格を、自分と背の高さが同じ(笑)役者ビクターに依頼。
ビクターは、絶対バレるでしょう、と一度は断るも、とりあえずやってみる事にして、リハーサル。
そこへ、ジキル博士の婚約者イヴがやって来る。
ジキル博士は、清楚な婚約者イヴの事が、好き。
実の所、真面目なジキル博士にそんなに魅力を感じていないイヴ。
清楚な彼女の内面には、官能小説を愛読する顔があった。
イヴは、ビクターと鉢合わせ。
本当の事がバレてはいけない、と焦るジキル博士は、明日、大勢の人の目をごまかせるかどうかの確認も兼ねて、ビクターを自分の中から分離した悪の人格ハイド氏であると、紹介。
イヴに襲いかかり悪口雑言をならべるビクター演じるハイド。
すると。。。イヴは、大喜び。もっと、もっと〜

「本当の自分」になりたいイヴは、そのきっかけをくれたハイドを好きになり…。
一方、ビクターは、イヴが本当の自分への一歩を踏み出す手助けをしたいと思うようになる。
ところが、イブが好きなのは、ビクター博士の悪の人格としてのビクターであり、本当のビクターでは無い。
ここまでの〜恋模様〜。
ハイド博士→(清楚な)イブ→イブ→ハイド
ビクター→イブ→ハイド
イヴ→×(役者)ビクター
そして、薬の効果のきれたジキル博士(実際はビクターと交替)と向き合うも、ときめかないイヴは、
ジキル博士をランチに誘い、飲み物の中に薬をたっぷり投入。。。
わくわくしながらハイドの登場を待つも、いっこうに現れないハイド…。
おかしいわね〜、と、ジキル博士に薬を入れた事を、告白。
大慌てでビクター(ハイド)と入れ替わるジキル博士。
現れたハイドに、ときめき、清楚な仮面を脱ぎ捨てようとするも、どうしても一線を越えられないイヴは、そうだわ、私が薬を飲んで悪人格になればいいんだ!と、薬を、ごっくんごっくん。
−−−効くはずの無い薬−−−
−−−慌てるジキル、ビクター、プール−−−
ところが。。。
ひとしきり苦しんだ後、イヴは豹変っ!。
あられもない恰好で、SM女王様の様相で、破廉恥な行動を取り始める。
彼女の名前は……。
「ハイジ」(大爆笑しましたです。)
ちなみに、ハイジは、ジキル博士を好き。
もしかして、女性にだけ効くのか?、それとも少しのアルコールと混ぜた事で薬が完成したのか?、と、ドキドキするジキル、ビクター、プール。
試しに、プールがイヴに、「解毒剤です」とただの水を飲ませてみると…。
破廉恥なイヴは、清楚なイヴに戻り。。。
彼女の思い込みで、ハイジが現れた事が判明。。。
ハイジな時の自分の行動を覚えているイヴを傷付けまいと、実は薬は完成しておらず、今できているのは、誰もがハイジになる薬なのです、と、伝えるプール。
いぶかるイヴは、ビクターとジキルに薬を飲ませ…。
結果は、ご想像通り。。。
自分の思い込みであばずれになった事を恥ずかしく思うもその事を受け入れたイヴは、ジキル博士が嘘の発表をしようとしている事を自分の父に話し、婚約も解消する旨を告げて、その場を後にする。
凹んだジキル博士は号泣、その涙が薬に一滴。。。
部屋に充満する煙。。。もしや、薬が完成???。
そんな訳はないのであ〜る。
ちゃん、ちゃんっ!。
自分の名誉と助成金受領権を守る為に、嘘の発表をしようとするジキル博士。
緊急時の雇われだったはずが、一人の女性を救うことに目覚めるビクター。
清楚な仮面をまとうも、内面は破廉恥で、思い込みの激しいイヴ。
ジキル博士の補佐を行いつつ、上記3人の諸々を楽しんでいるプール。
各人の二面性からくるドタバタと、全員が一方通行の片思い。
全部が楽しい。
・迫田さん。
冷静でちょっぴり人をくった所のあるプール役。
もろ、好みでした〜。
ビジュアル、ホビットのオーリーなの♪。

ドタバタしている他の三人をクールに見つめ、引っかき回して楽しんでる。
ナイスなツッコミと、ちょこっと意地悪、かと思えば、助け船。
真の支配者は、きっと彼、ね☆。
・片岡愛之助さん。
美男子さん。生真面目でちょっぴりぬけてるジキル博士を熱演。
私がイヴなら、喜んで結婚お受けいたしますわ、おほほほ。
たぐいまれな才能を持ちながらも、助成金欲しい、プライド高い、人間味溢れるジキル博士だった。
大サービス?のオネエ言葉もみせていただき、さんきゅーです。
・藤井さん。
プライドは高いけど売れて無くってでも自負はあるというビクター役、はまってた。
お笑いさん&歌手で活躍なさってた頃の、リズミカルな動き、一つ一つが、楽しい。
泣く子はいねがーー!のなまはげは、そのたんびに、大爆笑〜。
優香ちゃんイヴに、「近寄らないでっ、汗が」と言われる程、汗だくで、頑張ってらっしゃった。
・優香ちゃん。
素晴らしかった。
清楚な女の子も、攻められていっちゃってるきらきらうるうるお目々も、髪もたわわなお胸も振り乱しての女王様キャラも、全部が上手い。声もよく通って、あばずれハイジもイヴお嬢様の持つ品はちゃんと携えてて、可愛い女の子が有無を言わせない女になった時は、おっしゃるとおりです、って言いそうになった。
首ぶんぶんしての連獅子(「何、モチーフ?」とビクターに突っ込まれていましたが)、しっかり回ってた〜。
顔ちっこくって可愛らしくて、胸おっきくて、幅広い役ができて…。
彼女の舞台、もっと観たい!と思った。
愉快なジキルとハイドを、楽しみました〜。