
舞台:「彩の国シェイクスピア『ジュリアス・シーザー』」。

演 出:蜷川幸雄
作 :W. シェイクスピア
翻 訳:松岡和子
キャスト:
マーカス・ブルータス:阿部寛
マーク・アントニー:藤原竜也
ジュリアス・シーザー:横田栄司
カイアス・キャシアス:吉田鋼太郎
マララス、アーテミドーラス、市民:たかお鷹
占い師他:青山達三、カルパーニア:山本道子
シセロー他:塾一久、フレヴィアス他:原康義、
キャスカ、市民、兵士:大石継太
ルシリアス、元老、市民:丸山智己
オクテヴィアス・シーザー、市民:松尾敏伸
ストレイトー、市民、兵士:中村昌也
メサーラ、市民:新川將人
廣田高志、間宮啓行、星 智也、岡田 正
二反田雅澄、飯田邦博、澤 魁士、五味良介、水谷 悟
斎藤慎平、手打隆盛 ほか
ストーリー:
ポンペイを破ったジュリアス・シーザー(横田栄司)は、大歓声の中、ローマに凱旋。
そのの権力が益々強大となることを恐れたキャシアス(吉田鋼太郎)は、市民から厚い信望を得ていたブルータス(阿部 寛)を仲間に引き入れ、シーザー暗殺を決行する。
英雄の死に、一度は混乱した市民たちも、直後に行われたブルータスの演説に納得するが、シーザーの腹心だったアントニー(藤原竜也)が弔辞を述べると、民衆の心は逆に反ブルータスへと翻ってしまう。形勢不利とみたブルータスとキャシアスは、兵を集め戦いに打ってでるが…。
「ジュリアス・シーザー」(The Tragedy of Julius Caesar)は、1599年に執筆したとされる、ウィリアム・シェイクスピアの悲劇。
ローマ帝国の礎を築いたと言われる皇帝ジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル)を、腹心であり友人でもあったマーカス・ブルータスが暗殺するまでの苦悩や、その余波を描いた物語。
「ブルータスよ、お前もか」というシーザーの台詞でも知られている作品。
舞台上全体に、高さ3.7メートル、17段の階段。
お話は、その階段及び、客席通路を使って展開。
登場・退場の度に、客席最後尾から舞台セットの階段最上階迄猛ダッシュする役者さん達。
階段落ちはもちろんの事、階段上での激しい戦闘、血飛沫が飛び血だらけになる演出。
膨大な運動量の中、長台詞を一音一音明瞭に聴かせてくれる。
ローマの男達の戦いであると共に、出演者さん達の演じる事への戦いでもあるように思えた。

配役決定時。
シーザーに横田さん、ブルータスに阿部ちゃん、アントニーに竜也君、キャシアスに鋼太カさんのキャストに大喜び。
熟達者揃い、美形揃い

蜷川さん、ありがとう〜♪。
今回は、超安定感の方々(阿部ちゃんは除く)揃いなので、吉田さんが8割方の進行&コメディチックさを担っている以外は、上記4人均等(阿部ちゃんは少し軽め)に、舞台牽引の大変さが分配してあった(笑)。
阿部ちゃんは立ってるだけでローマ人。白と赤の衣装、似合う〜。
横隔膜から腰辺りまでは素肌なので、胸筋と割れた腹筋が軍人役にもベストマッチ。
上半身裸になった時に美しい肉体に光る汗にドキッ、羽織ったガウンの胸元にドキドキ。
阿部ちゃんはソース顔の代表格でお顔大きめなのかと思っていた私…。
実際は、阿部さん、全体が大きいから、画面に入りきらなくて、お顔がクローズアップになって、
全体が映っても遠くからの姿になっているからなのだと、今回、判明。
顔ちっちゃいです。
お顔、首から足元まで何個入るかな〜?と、一生懸命数えた(←おいっ!)所、11個位入ります。
全体を見ると小顔です、阿部さん。
他の皆さんは濃いめのメーク、阿部ちゃんはほぼ素顔で演じてらっしゃいましたが、
実際見ると、そんなに濃くはありません、はっきりしっかりしたお顔立ちという感じ。
サ行が言いにくいのか、キャシアスがキャシュアシュに聞こえたり、ルーシアスがルシュウスと聞こえるのはご愛敬。
道元の冒険→シンベリン→今作品と、確実に台詞量が増え、独壇場も増えてます。
阿部ちゃんのテルマエの役がルシウスだったので、ブルータス阿部ちゃんが、召使いのルーシアス(ルシュウスと聞こえる)を呼ぶ度、お風呂の絵が浮かんできて面白かった(ごめんなさい)。
阿部ちゃんの麗しい見栄えの良さは、舞台がローマである事をはっきり認識させ、
実直で正義感が強く愛国心の強い高潔なブルータスの役、びったり、合ってます。
大きな槍を振り回す姿も雄々しくてステキでした。
シーザー役の横田栄司さん。
昔ながらの軍人さんの豪傑さ、もってうまれたちょっぴり臆病者な顔。
両方を上手く演じてらっしゃいました。
原則、人を信じる姿勢のシーザー。
彼が書いた遺言書が本物なら、生きていたら、歴史は変わっていたかもしれません。
外へ向けては、戦い権力の座へ上ってきた男の強さを、
内に向けては、不安と恐怖でだだっこのようになり、
とどのつまりは、人の良い前向きさんなシーザーさんでした。
キャシアス役の吉田鋼太カさん。
そのまんまキャシアス〜。
シーザーに嫉妬して仲間と計り、ブルータスを仲間に引き入れ、アントニーには警戒を。
最期、勘違いで自害(正確には刺してもらう)する迄、壇上にいたのはキャシアス。
動き・表情…、一挙一動を見ているだけでキャシアスの思いが伝わってきます。
さすが、シェイクスピア俳優!!!。
台詞の言い回し一つで、お客さんの心をぐっと掴んで、笑いの渦を起こす鋼太カさん。
キャシアスの延々続く愚痴部分、大爆笑しながら観てました。
癇癪持ちな設定ゆえ、椅子やら剣やらちゃぶ台じゃなくって机やらを投げ飛ばし、
床に寝っ転がってジタバタジタバタ。。。
恐愉快。。。
「こんなにあなたを好きなのに、あなたはどうしてわかってくれないの」な乙女な動きのキャシアス。
「さっきは、悪かった」と謝ってくれたブルータスと、ぎゅっと抱擁。
ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅーっと抱きついて、ずっと一緒よ、行っちゃいやん


アントニー役の藤原竜也君。
シーザーを慕う精悍な若者軍人。
アントニーには見せるシーザーの弱気な部分を支え、殺されたシーザーの姿に嘆き悲しみ、首謀者達に悟られぬよう弔辞と称した演説でシーザーの仇を討つ役。
二重瞼の綺麗なラインも見える間近で見る竜也君のお顔は、とっても美しい。
激情型の感情表現は、封印。
悲しくて悲しくって狂いそうで暗殺者に刃を向けたい気持ちでいっぱいなるも、それを悟られぬよう味方となる旨を口では話す場面、上手いな〜と思った。
諦めと媚びの台詞を発しながらも、心の内は復讐の熱い炎で燃えたぎってる事、ちゃんと伝わってくる。
相手を讃えながら貶め、民の心を掴んでいく演説場面も、圧巻。
竜也君、全力雄叫びしなくても、見て聴いている者の心を、しっかり惹きつけてた。
亡くなったシーザーの遺体をお姫様だっこして階段降りてきて、とってもとってもそーっと床に寝かせる場面と、階段でアントニーVS5人の戦いの場面は、「るろうに剣心」の志々雄を彷彿。
SPで岡田君と誰も寝てはならぬトラック上対決をして、るろうにで志々雄側のお坊さんとして戦ってた丸山さん、今回はキャシアスとブルータスの側でご出演。
今回は、アントニー竜也君に、「こういう男こそ仲間として迎えたかったものだ」って言われてた:笑。
ブルータスばりの槍アクションもステキでした。
オクテヴィアス・シーザー役の松尾敏伸君。
シーザーの養子として育った鼻っ柱の強い美男子王子様。
キラキラ輝いてました。
キャシアスもブルータスも、負けると判断すると家来に剣を持たせ、
そこに倒れ込む形で自害し、敵は埋葬する事しかできなくしちゃって…。
日本の切腹は、敬意を表された者に許される行為であったことからすると、捉え方も違うのね…。
強くても敵を作ったり真面目でも信じすぎたりするのは、戦国の世では命取りなのね。
正論よりも人情論が人心を魅了するのね。
華々しい方に賛同しちゃうのが、世のながれなのね。
国を治めていく人物は相手に敬意をはらえる人なのね。
凄い人物も、喜怒哀楽するいとおしい人間なのね。
なぁんて事を思いつつ。。。
ややこしいシェイクスピアの話が、とってもわかりやすいのは、
役になりきり、一言一句明瞭に発する役者さん達のおかげかと。
阿部ちゃんの綺麗な肉体美と、竜也君の腹筋と鋼太郎さんの腹筋、
全ての役者さん達の細かな顔の動きもはっきり見えた良席に感謝☆。

幸せな2日間でした

ふと。。。
舞台:「アントニーとクレオパトラ」えは、シーザーの愛人だったクレオパトラとラブラブになり、シーザーの養子のオクテヴィアス・シーザーと仲違いして敗れちゃうアントニーを吉田鋼太郎さん演じてらしたのを思い出し、竜也君アントニーは、誰クレオパトラとラブラブになるのかな〜、なぁんて♪。
ランチは、シアタードラマシティのある中津駅近郊にて。
「シャリマール」
大阪府大阪市北区中津1-5-1 中津大栄ビル 2F
06-6373-7068
11:00〜15:00(L.O.14:30)
18:00〜23:00(L.O.22:00)
無休

おっきいナンと具だくさんのカレー、美味しかったです。