
新年、明けましておめでとうございます。
今年も、LIVEに舞台に映画に、エンタメ充実の1年になりますように☆。
本年も、よろしくお願い申し上げます。
今年は、「学びの年」にもしようと思っていますので、先日の講義聴講レポを。
講義:「菊池寛記念館第22回文学展記念講演会」。
<講師> 浅田 次郎氏(直木賞作家・日本ペンクラブ会長)
<演題> 「読むこと 書くこと 生きること」
<対談> 浅田次郎氏 × 菊池夏樹氏(菊池寛記念館名誉館長)

「読書人」という言葉があります。
日本では、本を読むことが好きな人の事を表します。
中国では、読み書きの出来る人=教養人、知識人を表します。
この解釈の違いは、日本では、ほとんどの人が読み書きができた事に由来します。
「清王朝」では、読み書きができない人が大勢いました。
「徳川幕府」では、9割の識字率でした。
共に軍事政権の両政府、違いはどこにあったのでしょうか?。
決して、日本人が優秀だから、ではありません。
日本の国土の5分の4は、山です。
ということは、5分の1の土地に人が集まって住んでいます。
よって、教育が人々全体に行き渡り易かったのです。
日本の30倍の国土の中国よりも日本は、教育展開が行いやすかったのです。
又、日本は、本屋の店舗数と出版数が、世界一です。
なぜなら、昔は、コンビニもテレビも無く、夜は本でも読むしかなかったのです。
こういう環境も、識字率を上げる事に貢献していました。
最近は、生産性の無い刹那的な遊びが増え、そちらに時間を取られて、本を読む時間が減っている状況なのが、残念です。
できれば、連続した読書の時間(一日4H)を、持って下さい。
原稿用紙100枚分は、1時間あれば、読めます。
という事は、4時間あれば、400枚文、単行本1冊読めるのです。
(鉄道員は原稿用紙400枚分です)
日本語は、少ない言葉で大きな世界を表現できる素晴らしい言語です。
又、「小説」は「想像力の世界」です。
本を読んで、「思う想像」から、「作る創造」が生まれるのです。
つまり、文字だけの世界から頭の中で状況を考える事(想像する事)は、物事を成し遂げる為の基礎体力を作るものなのです。
文章を書くには、コツがあります。
「、」や「。」をうつ場所を見つける方法は、声を出して書いた物を読むことです。
声を出して読みやすい所に「、」を、声を出して読んでいって一旦間をとる所に「。」をうてばいいのです。
日本の識字率の高さを証明するお話を一つ。。。
「明治維新」の時は、入って来た西洋の文化の受入に関連して、多くの「太政官布告」が、国民に対し発令されました。
この布告は、今も、中山道の宿場に残っています。
この事は、当時多くの人が字を読めた事の証明であり、宿場を通る大勢の人達がこれらを見る為、政府の命令は、くまなく有効に、日本国内に行き渡りました。
例えば。。。
明治5年11月8日布告の「改暦」(太陰暦から太陽暦へ)について。
政府は、「明治5年は、12月2日で終わり、12月3日を明治6年元旦とする」と通達しました。
当時、集金は年末に行われていました。
ですが、この通達ですと、明治5年は12月2日が集金日になります。
ほぼ1ヶ月の繰り上げ集金です。
にも関わらず、日本国内は大きな混乱も無く、12月3日が明治6年元旦となりました。
通達を日本国民ほぼ全体が把握していた事の賜です。
この「改暦」について、面白いお話を。。。(参考:「西を向く侍」)
明治5年、明治政府は、金欠でした。
12月が無くなれば、12月の給料を支払わなくてすみます。
さらに、12月に支払うボーナス(←江戸時代からありました)も払わなくてよくなります。
又、翌明治6年は、閏月で13ヶ月でしたが、今、改暦を行えば、明治6年の閏月が無くなるので、ここでも1ヶ月分の給料がうき、合計2ヶ月分の給料とボーナスがうきます。
やるなら今だ〜!と言う事で、明治5年11月8日に改暦布告をだした可能性は高いです。
ちなみに、布告は財務大臣と文部大臣の管轄で共に佐賀県人。気心の知れている同士なのでスムーズに事が運んだのかもしれません。
江戸時代の給料体系は、現在迄、140年間続いています。
「70俵5人扶持」を例にとります。
「70俵」の部分が、今のボーナスに該当し、年に2〜3回支給されます。
「5人扶持」が、毎月のお給料。
一人扶持とは1日あたり米5号、つまり、一人一日5合のお米を食べる計算で、5人を養える分が支給されます。
明治8年兵役法が制定になりますが、当時軍隊は人気がありました。
なぜって?、1食2合(朝2、昼2、夜2)、1日6合のお米を無料で食べられたからです。
(通常の一人一日5合なので、軍隊だと1合多く食べる事ができる)
ちなみに、「飯盒」は、とても便利な物です。
一つが4合炊き、朝炊いて昼の分、又は、2人1組みで半分ずつ食べ、もう一つの飯盒で汁を作って食べる事もできました。又、形が腰に付けて運びやすく並べれば、大量のご飯を炊くことができます。
今の自衛隊員さんも、一人一つ、マイ飯盒を持っています。
最近、炭水化物が成人病の原因だと米が虐げられていますが、肥満の原因は米の食べ過ぎではありません。運動不足です。
2000年間、米を食べ続け、ずっと米で給料等の単位を表してきた日本が、この2000年の歴史を、たった2〜3年の研究結果から変えようとすると、どこかで弊害が起きるのではないか、と思います。
又、ブドウ糖の7割は、脳で消化します。甘い物は、脳の働きを活性化します。その糖類は、炭水化物に由来しているのです。
ね!、米って、炭水化物って大切でしょう?。
ダイエットが流行してから、ぼー〜っと口を開けている人が増えたように思います。
口は知性の表れ!、人間、物を考えている時、口は閉じています。
読書をするにあたっての、オススメは、読みたい物を読む事。
読書も娯楽です。
私が「王妃の館」を書こうと思ったのは、「中世フランスのレシピ」という本がきっかけでした。
ルイ14世が雇っていた料理人のレシピ本ですが、どう考えても作れないレシピ本なのです。
その事が面白くて、全部読み、次の作品の原動力となりました。
尚、ノウハウ本はオススメできません。
なぜって?。
ダイエット本が本当に効くなら、あんなに沢山の数は必要ではありません、1冊あればいいんです。たくさんあるのはおかしいのです。
又、片付けのコツ本ですが、片付けは、生まれ持っての才能です。片付けができる人は買いません。買うのは片付けの才能の無い人。才能の無い人が買っても、現状はあまり変わりません。
又、テレビから入るのは、表面的な知識ですが、社会性が手に入ります。
人との会話や繋がりに使えます。ぜひ、見てください。
次に、日本語について。
字は、縦書きで書きましょう。
日本語は、漢字も平仮名も下にぬくようにできています。
最後の一画が、次の字の最初の一画につながるのです。
最近、横書きで書くことが増え、この「つながり」を実現できないストレスからうまれたのが「丸文字」です。丸くおさめるから、次も文字につながる必要が無くなります。
「明光大正」
なんと読むでしょう?。
正解は、「せいだいこうみょう」です。
これ、横書きを右から書いてあるのでは、ありません。
「昔は、横書きは右から書いた」は、誤りです。
「1行1文字の右から書いてある縦書き」なのです。
尚、「花押」が押してあるのが一番最後の文字です。
本を読めば、こういう知識も手に入ります。
先日、直木賞候補が発表になりました。
直木賞候補は、本になっていますので、読んでみて、受賞本予測をたてるのも面白いと思います。
浅田さんのお話、面白くて、2時間超、夢中で聴いていました。
メモもたくさんとりました(←横書きでした、ごめんなさい)。
改暦の話を聴きながら思い浮かべたのは「天地明察」。
真面目な彼等は、改暦の裏話知ったらどう反応するかな〜と(^^)。
ポツダム宣言時のロシア介入に関しては「終わらざる夏」に、中国の文化については「蒼きゅうの昴」に、新撰組については「壬生義士伝」・「一刀斎夢録」・「黒書院の六兵衛」に、中山道の参勤交代については「一路」に書いてあるそうなので、1日〜2日に1冊読了を目指してみようと思う今年です。